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消防署で活躍した日産2代目「パトロール」を12年所有! 定年退職を機に思い出の1台を購入

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

  • 1974年式の日産 2代目 パトロールとオーナーの鈴木茂さん
  • 日産 2代目 パトロール:「NISSAN PATROL」のエンブレム
  • 日産 2代目 パトロール:オーナーの鈴木茂さんは現在車体についている「NISSAN PATROL」のエンブレムのほかに「NISSAN FIRE PATROL」のエンブレムも大切に保管している
  • 日産 2代目 パトロール:パーツの供給やメンテナンスに関しては、知り合いに元日産のメカニックがいて、何とかなっているという
  • 日産 2代目 パトロール:パーツの供給やメンテナンスに関しては、知り合いに元日産のメカニックがいて、何とかなっているという。搭載エンジンは4L直4OHVだ
  • 日産 2代目 パトロール:パーツの供給やメンテナンスに関しては、知り合いに元日産のメカニックがいて、何とかなっているという
  • 日産 2代目 パトロール:インテリア
  • 日産 2代目 パトロール:ドアトリム。左のドアハンドル(ロック機能付き)が懐かしい
  • 日産 2代目 パトロール:2本スポークのステアリング。トランスファーの切り替えとハイ&ローギア、3速MTの3本のレバーがある
  • 日産 2代目 パトロール:1974年式で、日本国内においては2代目が“最後のパトロール”ということになる
  • 日産 2代目 パトロール:前輪ハブの突起が車幅を超えないようにフロントフェンダーに装着された鰹節状のオーバーフェンダーはこの年式の特徴
  • 日産 2代目 パトロール:もともとは消防署で使われていた個体

パトロール再会は仕事の記憶から

2025年4月13日に新潟県三条市のミズベリング三条で開催された20世紀ミーティング2025春季。2025年も個性豊かなクルマたちが集結し、会場には160台ものエントラントが並びました。そのなかでひと際異彩を放っていたのが、1974年式の日産2代目「パトロール」です。今も現役で走るこの1台を12年かけて大切に乗り続けるオーナーに話を聞きました。

原付からトラックまで多彩な参加車両

最初の開催は2021年と、古くからヒストリックカー・イベントが盛んな北陸・新潟エリアでは比較的新しいイベントといえる「20世紀ミーティング」。これはその名の通り”参加資格車両は2000年ごろまでの、乗用車のみならず2輪、4輪、商用車を問わずエントリー可能”というもの。主催するのは、新潟・三条市の展示施設「KYOWAクラシックカー&ライフステーション」内の20世紀ミーティング実行委員会だ。今ではすっかり地元の恒例イベントとしてファンの間に定着している。

この20世紀ミーティングが開催されたのは新潟県三条市のミズベリング三条という水防学習館、交流広場、キャンプ場などが併設された信濃川沿いのエリア。今回のイベントには2輪と4輪合わせて約160台のエントラントを数えたが、原付スクーターからトラックなどの商用車まで、会場に並ぶ参加車両はじつに多彩だ。

毎回見学に来る常連ギャラリーのことを考え、主催者側は常連のエントラントと初参加のエントラントのバランスには開催するたびに頭を悩ませているそうだが、今回もこのイベントでは初のお目見えとなるクルマが何台も参加していた。そのなかの1台が、日産2代目「パトロール」である。

政府要請で開発されたパトロール

パトロールは「警察予備隊(後の自衛隊)向けの小型四輪駆動車を試作せよ」という政府の要請によって1951年に開発されたもの。4W60型系と呼ばれた初代が競争入札で競合したライバル車はトヨタ「ランドクルーザー」(当初の車名はトヨタ ジープBJ)と三菱「ジープ」だったが、最終的に採用されたのは三菱「ジープ」だった。

パトロールとランドクルーザーはその販路を公官庁や警察、消防、民需にシフトした。パトロールは1960年にモデルチェンジ、60型系と呼ばれる2代目へと進化した。イベント会場で見かけたのは、この2代目パトロールである。ちなみに1980年にパトロールが3代目にモデルチェンジした際、国内市場では車名が「サファリ」に改められたので、日本国内においてはこの2代目が“最後のパトロール”ということになる。

「このパトロールは1974年式で、自分の手元に来てから12年ほどになります」

とお話を聞かせてくれたのはオーナーの鈴木茂さん。地元の山形や新潟県内の他のヒストリックカー・イベントには参加しているが、この20世紀ミーティングは初のエントリーとのこと。日産「サニー」や「ブルーバード」などと同様、国内ではすでにパトロールの車名が消えて久しいが、このクルマに乗ろうと思ったきっかけは?

「じつは送電線の施設などを手掛ける会社で働いていまして、社会人になりたての頃に仕事で乗っていた作業車が日産パトロールだったんですよ。定年退職するころ、昔乗っていたパトロールにまた乗りたくなって探していたところ、広島の方で出物が見つかり手に入れました」

元日産メカニックの力を借りて維持も万全

鈴木さんのパトロールはもともとは消防署で使われていた個体だったそうで、現在車体についている「NISSAN PATROL」のエンブレムのほかに「NISSAN FIRE PATROL」のエンブレムも大切に保管している。前輪ハブの突起が車幅を超えないようにフロントフェンダーに装着された鰹節状のオーバーフェンダーなどもこの年式の特徴。パーツの供給やメンテナンスに関しては、知り合いに元日産のメカニックがいて、何とかなっているという。

「元々がヘビーデューティな使用が前提のクルマですから、そもそも壊れませんね。乗り味はスパルタンですけれど」

と鈴木さん。よく”釣りは鮒に始まり鮒に終わる”などと言われるが、鈴木さんのクルマ趣味はパトロールにはじまりパトロールに終わる、というところか。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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