新たなショールームがローマに誕生
フェラーリは、世界で初めて新たなコーポレート・アイデンティティ(CI)を反映したショールームをイタリア・ローマにオープンしました。この新しいショールームでは、フェラーリの世界観が体感できて、最新のデジタル技術を組み合わせた交流のための場所となっています。詳細をお伝えします。
三本柱で構成されるコンセプトとは
フェラーリは、新たなCI(コーポレート・アイデンティティ)を体現した初のショールームをイタリア・ローマにオープンした。ヴィア・ピンチャーナ65番地にあるこのショールームは、1957年より正規ディーラーとして活動しているサモカー社が運営している。
フェラーリの新CIは、来場者体験の質をさらに高め、ブランドのDNAおよび価値観と調和する空間の創出を目的としている。ゆえに、フェラーリの卓越性へのこだわりを反映する物理的空間の設計は不可欠であり、各空間に統一されたアイデンティティを付与することによって、ファンおよび顧客の体験価値が一層向上することとなる。
新しいショールームのデザインコンセプトには3つの柱が存在する。第1は「唯一無二性」である。ショールームは、パフォーマンス、革新性、デザイン、クラフツマンシップといったフェラーリの中核的価値観を通じて、ブランドの本質を体現する空間を提供する。ブランド、ヘリテージ、コミュニティに特化した各エリアは、来場者がフェラーリ・コミュニティとつながり、レースの世界における卓越した専門性を体感できるよう設計されている。
第2は「帰属意識」である。ショールームの中心には「ピアッツァ」と呼ばれる円形の交流スペースが設けられている。来場者は単なる観覧者ではなく、共有体験の主役となる。
第3は「物理空間とデジタル要素の融合」である。これはカスタム・コンフィギュレーション機器により、デジタルとリアルが調和し、ユニークな相互作用を生み出している。
AMWノミカタ
顧客の消費行動は従来の「モノ消費」から「コト消費」に移行してきていると言われて久しいが、現代ではより精神的な購買を重視する傾向が強くなってきた。最近では消費者がブランドと一緒にひとつの目標を目指したり、時間や体験を共有するような「トキ消費」などという言葉も注目されている。ゆえにショールームでも来場者にしか味わえない体験を提供することはもとより、ディーラーと顧客が同じ体験を共有できる仲間として迎える空間を提供しなくてはならない。
フェラーリの新CIショールームは、その象徴的な試みであろう。つまり顧客は「フェラーリのクルマを買う」のではなく、「フェラーリの世界に参加する」ために来店している。ディーラーは「このブランドと人生を共にする理由」を購買プロセスのなかで顧客に与えることが重要となる。
ミレニアル世代はすでに顧客の中心層となり、あと僅かでZ世代も顧客層を形成する。今回、フェラーリが提供するピアッツァのようなブランドの世界観を体感できる没入型空間やコミュニティスペース、ライフスタイル発信地としての役割、デジタル(AR/VR、カスタマイズシミュレーター)体験の提供により顧客ごとのストーリーを共創することが新たな世代には当たり前の世界になるのではないだろうか。