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「プロクセス スポーツ2」装着のAMGとBMWでドイツを走ってわかった「ニュルブルクリンク」で開発する重要性とは?「欧州プレミアムとの相性は抜群」〈PR〉

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TEXT: AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)  PHOTO: ユリアン・シュミット(Julian Schmidt)

  • メルセデスAMG A45 S 4MATIC+ファイナルエディションにプロクセス スポーツ2を装着し、ニュルブルクリンク近郊を試乗
  • メルセデスAMG A45 S 4MATIC+ファイナルエディションにプロクセス スポーツ2を装着し、ニュルブルクリンク近郊を試乗
  • 専用のホイールはイエローのアクセントが施されており、タイヤサイズは前後ともに245/35ZR19となる
  • 丘陵地帯の田園風景を縫うようにして一般道——区間によっては制限速度は100km/hのアスファルト路を走らせる
  • BMW M440i xDRIVE カブリオレにプロクセス スポーツ2を装着し、ニュルブルクリンク近郊を試乗
  • ロードノイズもさほど気にならず、BMWのステアリングフィールを余す所なく味わうことができる
  • タイヤサイズはフロント:225/40R19、リア:255/35R19
  • 丘陵地帯の田園風景を縫うようにして一般道——区間によっては制限速度は100km/hのアスファルト路を走らせる
  • ニュルブルクリンク周辺は、サーキットコースだけでなく一般路も魅力的なワインディングでドライブを愉しませてくれる
  • ノルドシュライフェを走ることができたら最高であったが、今回はサーキット周辺の一般路でのインプレッションをお届けする
  • 日本だと公道を走るには派手すぎるカラーリングかもしれないが、ニュルブルクリンク周辺にはチューニングされたスポーツカーが多いため悪目立ちしない
  • プロクセス スポーツ2が、400馬力オーバーのパワーをしっかりと受け止め、コーナーでもがっちりと路面を捉えていることが両の掌と腰から伝わってくる
  • 石畳のような路面も、不快なフィードバックは極力抑えられている
  • しっとりとまるでクルマが意思を持って真っすぐ走っているかのような乗り味は、300kmぐらいは楽に休憩なしで走ってしまえるほど
  • 速度を上げていくと、エンジンフィールとステアリングフィール、そしてサウンドが渾然一体となった官能的なドライビングプレジャーの領域——走りのスイートスポットが訪れる

PROXES DRIVING PLEASURE:走る歓び

ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで鍛えられたPROXES(#プロクセス)は、いかに市販タイヤへとレースで得た技術や知見をフィードバックしているのでしょうか。それを確かめるべく、プロクセスのプレミアムスポーツタイヤである「PROXES Sport2(#プロクセス スポーツ2」を装着したキャラクターの異なるクルマ2台を試乗してきました。しかも試乗するステージはニュルブルクリンク周辺の一般道です。

積極的にワインディングの走りも石畳も路面も許容する懐の深さ

「NLS(ニュルブルクリンク・ロングディスタンス・シリーズ)」の2025年シーズン第1戦を終えた翌日、「TOYO TIRES with Ring Racing(リングレーシング)」の本拠地であるリングレーシングのヘッドオフィスを尋ねた。まだ、前日のレースを戦ったマシンが積載車に積まれたままのレースの余韻が残る朝である。

リングレーシングで用意された真新しいプロクセス スポーツ2を履いたクルマは、メルセデスAMG「A45 S 4MATIC+」のファイナルエディション(以下A45S)と、BMW「M440i xDRIVE カブリオレ」(以下M440iカブリオレ)の2台であった。

さっそくA45 Sのシートに座りスタートボタンを押してエンジンに火を入れる。初代A45は、AMGが初めて手掛けた4気筒エンジン、コンパクトサイズのホットハッチとして注目を集め、世界最強の2リッターエンジンという異名を持っていた。360馬力だったA45は、2世代目となる現行モデルかつファイナルエディションでは421馬力にまでパワーアップし、世界最強の2リッターエンジンの称号はそのままである。リングレーシングからニュルブルクリンクまではクルマで30分程の距離、丘陵地帯の田園風景を縫うようにして一般道——区間によっては制限速度は100km/hのアスファルト路を走らせる。

A45 Sに装備されたAMGパフォーマンスシートは、メルセデスらしくヒーターや電動での調整機能などを完備しているとはいえ、ホールド性が高く腰から路面状況がよく伝わってくるスポーツシートだ。もちろん、少々太めのステアリングホイールからの路面のインフォメーション量も多い。プロクセス スポーツ2のファーストコンタクトの印象は、しっとりとした感触であった。すべてがハードな味付けに振られたA45 Sだから、むしろその印象が際立って感じられるのだろう。

たとえば、ラウンドアバウトでわざとイン側の段差にタイヤを乗せたときや市街地の石畳を走らせたときなど、ゴツゴツとした硬いフィードバックが丸くいなされているようで当たりがソフトなのである。アウトサイドのショルダーが丸くラウンドしたデザインを採用していることも大きい。さらにニュルブルクリンクからアーデナウまでのちょっとしたワインディングでは積極的にアクセルを踏んでコーナーをいくつか攻めてみたのだけれども、400馬力オーバーのパワーをしっかりと受け止め、コーナーでもがっちりと路面を捉えていることが両の掌と腰から伝わってくる。これらがコーナリングでの絶対的なグリップ感とコントロールのしやすさにダイレクトに結びついている。

ドライブモードを「S+」にして、ハンドリングやトランスミッション、そしてエンジンレスポンスをさらにシビアなキレキレな状態でもその印象は変わらない。むしろ、さらにダイレクト感が増してA45Sとの距離が縮まったようである。

「非対称」だから実現した安定した走り

プロクセス スポーツ2のトレッドパターンは、アウト側とイン側とで異なる非対称パターンを採用している。センター部には太めのグルーブを設けて排水性を高めたプレミアムスポーツタイヤの王道パターンである。コーナーリング時にはアウト側がグリップ力とハンドリング性能、ブレーキング時にはイン側が制動力を受け持っている。さらにパターンだけでなく、トレッドコンパウンドも非対称だ。アウト側はコーナリング時に大きな横荷重がかかり、イン側はブレーキング時に強い圧力がかかる。そこでアウト側とイン側とで適したコンパウンドが選定されている。つまり、トレッドパターンと素材とでコーナリングとブレーキングの性能を効率的に底上げしているのである。

非対称トレッドコンパウンドについてもう少し言及しておくと、アウト側に「リジッドコンパウンド」、イン側に「フレキシブルコンパウンド」が採用されている。リジットコンパウンドは、その名称から想像できるとおり、コーナリング時などによるリブの変形を抑制。フレキシブルコンパウンドはあらゆる温度域で柔軟性に富んでいるため、従来のコンパウンドより接地面が増え路面追従性が高くなっている。両者はいわば相反する特性であると言ってもいいだろう。

もちろん、こうしたプロクセス スポーツ2の構造や素材について、一般のドライバーがはっきりと認識することはまず不可能である。ベントレーのV型8気筒モデル(コンチネンタルGTとGTC)に最初に気筒休止システムが採用された際、英国のカントリーロードでその切り替わりを意識して運転したことがあるが、メーターパネルに切り替わりのタイミングをアナウンスする表示などは一切ないため、どれほど意識を集中させてもそのポイントを掴むことはできなかった。唯一、タコメーターの針を注視して、おそらくそうであろうというタイミングを見つけることができたくらいだ。

ドライビングやブランドの世界観に浸るためのクルマ——いわゆるプレミアムなクルマは、ドライバーに余計な情報は伝えないものだ。そのクルマを運転し操るプレジャーに浸ることを阻害する要因は極力排除される。ベントレーをドライブする人に、気筒休止のタイミングを伝える必要なんぞなく、むしろ気取られたらプレミアムの名が廃るというもの。

それと同じく、プロクセス スポーツ2を履いたA45 Sを積極的にワインディングで走らせているとき、アウト側とイン側とでコンパウンドの違いなどを認識しながら走る必要はない。ただ、高いグリップ力と素直なハンドリングを愉しんで、ドライビングプレジャーに浸ることができればよいのである。これこそが、プレミアムスポーツタイヤに重要な要素のひとつであろう。

BMWのスイートスポットにまさしくピッタリ合うタイヤ

次に試乗したM440iカブリオレは、まず最初にアウトバーンへと向かうことにした。今回試乗したモデルに限らずBMWの高速走行のスイートスポットは160km/h以上からの場合が多い。

日本の高速道路では多くの区間で100km/hから120km/hまでしか速度を出すことはできないが、この速度域では全体的にクルマの挙動はどこか薄められた印象で芯がはっきりしない。しかし速度を上げていくとそれがキリリとひとつの方向に収斂されていって、エンジンフィールとステアリングフィール、そしてサウンドが渾然一体となった官能的なドライビングプレジャーの領域——走りのスイートスポットが訪れる。

路面に吸い付くようにして走る感触は一度味わうと二度と忘れることはできないだろう。しかし、フロントタイヤの空気圧が10〜20kPa左右で異なっただけで、麗しいBMWのステアリングフィールは破綻する。実際に新東名高速を最新のBMWで走る際、違和感を抱くときは大抵の場合、フロントタイヤの左右の空気圧が異なっていたということが多い。警告灯が点灯しない微々たる差でも違和感を抱くのは、普段からあらゆるBMWに試乗する機会があるいわば職業病ではあるが、ドライビングプレジャーを求めてBMWに乗っているような違いのわかるオーナーであれば、きっと納得していただけるだろう。

つまり、この領域に達するには、タイヤの性能も大きく関わってくることは言うまでもない。果たして、速度無制限区間のアウトバーンで、久しぶりにプロクセス スポーツ2を履くM440iカブリオレで、BMWの持つ本来の官能を感じることができた。しっとりとまるでクルマが意思を持って真っすぐ走っているかのような乗り味は、300kmぐらいは楽に休憩なしで走ってしまえるほどだ。

耐久レースで培った技術が市販タイヤへ

ニュルブルクリンクで開発をしたクルマは、よく一般公道でのインプレッション評価が高くないことが多い。とくに欧州のメディアでは手厳しい。しかし、それはニュルブルクリンクにターゲットを絞ったセッティングが施されているからだ。一般道ではどうしてもハードすぎて乗り味の評価が下がることになる。

しかし、タイヤの開発はそうではない。ニュルブルクリンクのレースで鍛えられたプロクセスは、レースで得たノウハウをプロクセスのそれぞれの銘柄に合わせてフィードバックさせているのである。

今回2台の欧州車をそれぞれのシーンで試したプロクセス スポーツ2は、欧州プレミアムブランドのクルマのキャラクターにしっかりと照準を合わせた味付けに仕上がっていた。

きっと、サーキットをメインにしたラジアルタイヤ「プロクセスR1 R」、タイムを削ることに主眼をおいた「プロクセスR888 R」、正確なコントロールが要求されるドリフトをターゲットにした「プロクセスR888 Rドリフト」、そしてスポーツカーオーナーの要望に応えた「プロクセスTR1」などにもニュルブルクリンクで得た知見がそれぞれに合わせてフィードバックされているのであろう。そしてそれぞれの走るステージで、最高の「ドライビングプレジャー」が用意されているのである。

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  • AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)
  • AMW 西山嘉彦(NISHIYAMA Yoshihiko)
  • AMW編集長。大学卒業後、ドキュメンタリー映像の助監督を経て出版業界へ。某建築雑誌の版元で編集技術をマスターし、クルマ系雑誌編集部のある版元へ移籍。その後、版元を渡り歩きながら興味の赴くままにカメラ雑誌、ガレージ雑誌、グラビア誌のほかにBMWやランボルギーニの専門誌などを立ち上げ、2017年までスーパーカー専門誌の編集長を務める。愛車はBMW E30 M3。日本旅行作家協会会員。兼高かおる賞実行委員。近況は、個人ブログ「ART LIFE mag.」にて。
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