サーキットも街も走る、レースオプションを組み込んだハコスカGT-R
日産C10型「スカイラインGT-R」で4ドアモデルは、1971年に2ドアGT-Rが登場するまでの1969〜1970年の2年間生産をされました。そんな貴重なモデルが純正ワイドリムを装着し、S20ユニットをドライサンプ化してNostalgic 2days(ノスタルジック2デイズ)のPROTECブースに姿を現しました。純正の71AミッションやR192デフをはじめ、当時のパーツを保持・装着した仕様に注目です。
ワイドな純正スチールホイールを装着!
2025年2月22日〜23日に横浜で行われたNostalgic 2days(ノスタルジック2デイズ)では、感覚が麻痺してしまうほどハコスカこと日産3代目C10型「スカイラインGT-R」が多数エントリーしていたのが印象的だった。
おそらく同じ場所でS20型パワーユニットをこれほど大量に見る機会は珍しいだろう。そんななかでも気になった1台が、PROTEC(プロテック)のブースに展示されていた4ドアGT-Rだ。グローレッドにペイントされ、古いナンバーを掲げている。
多くのクルマが純正ホイールを失っているためワタナベ製8スポークを履いているが、この個体はスカイラインGT-Rのみに設定されたスチール製のワイドリムを装着している。ほかにもよく見ると当時物のレースオプションと思われる貴重なパーツが多数装着されていた。
貴重な当時のパーツを惜しげも無く投入
オーナーの笹野さんに話をお聞きすることができた。
「以前は2ドアのハコスカGT-Rに25年くらい乗ってました。じつはこの4ドアのハコスカGT-Rは前オーナーが乗っているころからずっとその存在を知っていました。その人がこのクルマを手放すことになったため、私が譲り受けて箱替え。乗っていた2ドアGT-Rパーツを移植し、これまで集めていたパーツを装着することにしました」
コレクションしていた貴重なパーツを装着し、このクルマが完成したというわけだ。ボディは純正オプションのロールケージが組み込まれ、足まわりには日産プリンススポーツコーナーのレース用サスペンションキットとスタビライザーを装着。さらに前述のとおり、純正スチールホイールはフロント14×6J、リア14×7Jのレース専用ワイドリムを装着。タイヤだけは当時物というわけにはいかず、フロント185/60、リア195/60サイズのヨコハマ製ADVAN HFタイプDを組み合わせている。
エンジンは当時のキットでS20ユニットをドライサンプ化
注目してほしいのがエンジンだ。当時物のレースパーツを使ってドライサンプ化している。そのほかにも鍛造のオーバーサイズピストンを使って、PROTECの手によってエンジン各部のバランス取りなども行い、徹底的にリファイン。
キャブレターはファンネル仕様のウェーバーφ45を装着している。ほかにもオイルキャッチタンクなども含めて、エンジンルームは当時のレース仕様そのものとなっている。ちなみに多くの人がエンジンのパワーアップに合わせて後の年代のトランスミッションにアップデートしているケースが多いが、このクルマはオリジナルの71AトランスミッションとR192デフを使用している。
笹野さんはこのスカイラインGT-Rで富士スピードウェイと鈴鹿サーキットを走った経験がある一方で、普段から街乗りにも使用しているそう。なんとも羨ましいスカイラインGT-Rライフを満喫しているのだ。